●2004年10月22日鎌倉の柿沼建築設計事務所にお伺いいたしました。
大暴れをした台風23号が過ぎた秋晴れの日、前日と打って変わったすがすがしさに気をよく
した二人は半分行楽気分とか言いながらモノレールを降りるとそこに柿沼さんが迎えにこられて
いました。二人はますます気分好く、ゆるやかな坂道を都会の喧騒うを離れ秋の草花を眺め
ながら上りきることができました。(・・・・・・運動不足?・・・)
目の前は高級住宅街が開け、その一角に風格の有るシンボルツリー(桜)を有する事務所が
ありました。
「ここが事務所です。狭いところですがどうぞ上がってください。」
N&T
「おじゃまします。あ!先ほどの桜ですね。こじんまりとした窓枠が額縁ですね。」
「そうなんです春はいいですよ。ところで皆さんは忙しいですか?
うちは手描き専門なので、最近はこんなかんじの仕事ばかりです。」
「え!これは鉛筆で描いているんですか?細かいですね。この描き込みだけですばらしい作品に
成っていますよ。この鉛筆の感じがいいですね。
「これをワット紙にコピーして彩色です。」
たくさんの作品を見せていただきながら、
「こんな広範囲の鳥瞰は点取りをどうしているんですか?」


「うちは企画段階の仕事ですので、図面も整っていま
せんから、昔ながらの写真を使用しています。
馴れもあるでしょうけれど割と速いですよ。」
「そうそう、コンピュウターは図面がなければ誰でもできるものではないし、割と時間が掛かるかも
しれないですね。ところで、独立して何年になるんですか?」
N
「25年です。」
「私も25年です。同じですね。」
「1970年高須賀晋建築設計事務所に入社して、1973年先輩の種橋さん独立に伴い、種橋建築設計
事務所設立に参加。秋葉原に事務所を開設して、以後主にパースに従事しています。」「25年前ふと
通勤がいやになり、1981年 柿沼建築設計事務所として鎌倉に独立して今日に至ります。」
「あっと言う間でしたね。」
N&K
「本当に速いですね。」
「たくさんの作品を見せていただいてありがとうございます。勉強になります。」
「これで終わりですか。よければ奥に寄ってください。」

    誘われるまま寄らせて頂くことに・・・・・・、
 階段を上がるとにこやかに奥様に迎えられました。
 舞台の有る居間にとうされ、又、もう使われなくなった子供室をはじめ工夫された
 住空間に、流石設計者の立てられた家と感動です。柿沼さんの人のよい温厚な
 人柄は周知のことですが、奥様にはじめてお会いしてお似合いのご夫婦と感じ
 入りました。
 奥様にいろいろ気を使っていただき、あまりの楽しさについ時間を忘れ長居をして
 しまいすいません。奥様ありがとうございました。

(取材・中村 佳代/KAYOパースイラストレーション撮影寺川 昌子/パーススタジオ・モノ)
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